activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

89【『医療否定本』という本。】

3回目の体験スピーチも2回目と同じ自然派レストランで行いました。そのスピーチの日は、脳転移で意識不明になる2日前でした。言い方を変えると、脳腫瘍で意識不明になる数日前までスピーチする程、元気でしっかりしていたという事です。

 

 

後の私が脳転移からも生還し元気になった時に、そのレストランで働いていて参加していた友人(私に良かれと思い「抗がん剤して大丈夫❔」とアドバイスをくれた友人)から、こう言われました。スピーチ後の質問に、私が返事した時の事について。

 

 

質問者

「◯◯◯先生(大学教授)の本については、どう思われますか?」
その時に私は間髪入れずに
「それはトンデモ本ですから!!! その理由は~……」
といったそうなんです。

 

 

ですから、その友人から
「その対応のスピードと圧倒力が凄かった。もっと柔らかくても いいのでは?」
と言われたのです。

 

 

ちなみに その◯◯◯先生は書籍で
✴ガンの転移は治る兆候。
✴ガンは、治療するから治らなくなる。
✴無治療で治らない人間は、免疫を上げる感謝が足りないから。
と書いています。

 

 

✴私の亡くなってしまったがん友が、電話相談した時には
「乳がんなんて、湯たんぽ抱いておけば すぐに治るんだ!」
と言われたと言っていました(その女性は、治療の甲斐なく乳がんで亡くなってしまいました。)

 

 

そのレストランで働いている友人は、私が抗がん剤拒否を決めたに、抗がん剤治療を進める娘と娘の友達に対して『抗がん剤の毒&医療業界の陰謀論』を一生懸命説得してくれた人。

 

 

私はずっと、治療経過を報告し続けていたので私の生還劇までも、全て知っています。そして
「北里さんに万が一の事があったら、娘さんに顔向け出来ないと思ってた。」
と言っていました。

 

 

それなのに、私には『本』で熱くなるなと言ってきました。
ですが、私にとっては
『たかが本』ではなく『されど本』
なのです。

 

 

人は自分の情報の中で正しいと思い選択していきます。そのたった『一冊の本』がキッカケで私には命を失ったガン友が何人もいますし私も危なかった1人です。

 

 

私には その本が『暴走車』にしか見えません。本は、たとえ止まっていても……
そして興味を持ち始めた人が交通ルールを知らない小さな子供のように見えます。

 

 

ルールやモラル、命を最優先しない暴走車が走り回る中に、小さな子供が歩き出そうとしていると分かった瞬間、危険性を知っている輩・体験者として『危ない!!!』と叫んでしまうのは本能だったと思います。(今なら 一呼吸置けますが……)

 

 

ガンの辛さは、体験した本人にしか分かるはずが無い。でも、分かってくれていると思っている友人でさえも、そこまでは気持ちを分かってはいなかったのです。期待していると、そのぶんがっかりしてしまいます。勿論、頭では期待しないようにと分かっています。

 

 

時折、最近出会う方に、傷があるように見えないからと、せっかく塞がった傷口をこじ開けられる時さえあります。でも、だからこそ、私は声なき声の代弁者として前を向いて進み続けるしかないと思っているのです。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ