がんと誤診 vol.43
ついに退院の日を迎えました。退院前に、マイクロウェーブ温熱療法・集中治療の約2週間の成果を調べるためCTを撮りました。
その頃2011年5月の終わり、乳がんの直径は【11センチの腫瘍】になっていました。その腫瘍の中心部に、溶けているような不鮮明な場所が有ると書いてありました。大ベテラン医師からは「温熱療法によって、ガンが死滅している。後は、時間の問題だ!」と言われ、私は大変喜びました。そして、「リンパに転移していたガンも、今回の治療で消滅するから。」と言われ安心しました。
私は、「何て運が良いんだろう……こんな素晴らしい切らずにガンを縮める治療を受けられた上に、効果も出てるなんて……後は根気強く通い続ける事で、ガンが自然退縮するんだぁ~。本当に手術しなくて良かった~♪」といいイメージと手応えを感じました。
家に帰り、ゆっくりと画像診断の説明を読んでいると【両側胸水が出現し、両下葉背側に圧排性無気肺を生じています】
という記述を見つけました。「⁉︎ これは、肺に水が溜まってるんじゃない?でも何も説明されなかったという事は、大丈夫って事かな??💦」
【肝臓には嚢胞が散見されます。】「……」とにかく当時の私には全く意味が分かりませんでしたが『説明が無かったという事は、説明するまでも無い、大した事では無いはず』だと捉え、良くなっていると説明を受けた事だけ考えるようにしました。
半年後に分かった事ですが、実際は肺から全身へと転移する準備が出来ているすぐに治療を始めないといけない危険な状態だったという事でした。また、不鮮明に写っていた乳がんの中心部分。そこはただ単に大きくなり過ぎ血行不良で細胞が生きていけない状態になっただけだったのです。