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乳がん胸いっぱい vol.27

初めて出会った【ガン友】を『雪の女神』と名付けておきます。

彼女と意気投合した理由は、共通点がいくつかあったからです。

同じ乳がんで年齢も近く40歳前半だった事。お互いに子供がいた事。抗がん剤だけは絶対にしたくない事。びわ温灸で火傷していた事などがありました。雪の女神は優しくて笑いのセンスがある、楽しい時間を共有できる素敵な女性でした。そして大変な頑張り屋さんでもありました。

 

 

そんな魅力的な彼女と時間を見つけては『ガンの自然治癒』について語り合っていました。そのうち、お互いの乳がんがどうなっているのかカーテン越しの話だけでは伝えきれなくて……お互いに興味が湧き、今後のお互いの参考にと『乳がんを見せあいこ』をする程に仲良くなりました。親にも見せなかった秘密を見せ合う間柄。それ程、信頼関係が築ける仲になっていました。

 

 

私は胸から大きな腫瘍が出ていたタイプ。まるで赤いボールを胸に付けたようなタイプでした。雪の女神の方は、胸いっぱいに火傷で爛れていました。2人で「全然、違うね~!!」とお互いビックリしていました。とにかく分かった事は『乳がんのタイプは、人それぞれ』だという事でした。

 

 

雪の女神は、あるガン患者会に入っていたそうです。そのガン患者会でびわ温灸や手作り湿布などの民間療法を学んだそうです。そのガン患者会は、とても有名な組織だそうです。『おせっかいな女性』が貸してくださった本もそのガン患者会から出版されたものでした。私はその本に共感し、時期を見て入る事を検討していたので興味深く聞き入りました。

 

 

雪の女神の胸いっぱいの火傷は『びわ温灸による低温火傷』が原因だと言っていました。雪の女神は、そのガン患者会の指導者から、「何度も、乳がんの上にびわ温灸を当て続ける事で治る。」と指導されたそうで、言われた通り頑張ったのに、乳がんは治るどころか火傷をしたそうです。何度もびわ温灸するつもりなら毎日ちょっとずつ。でも乳がんを消滅させるにはちょっとじゃ頼りないし……そこでお手当の指導者に相談すると、乳がんは乳房の中にあり血管や神経など複雑に詰まっているのにも関わらず、赤々と燃える火の塊を、もっともっと押し当て続けるように指導されたそうです。「凄く痛いし、治る様子も無く、酷くなっているようです。」と訴えても、医療従事者でも無い女性指導者から「やり方が足りないから、治らないのよ!」と言われていたと言っていました。

 

 

想像してみて下さい。火傷で爛れ痛む乳がん患部の上に、更にびわ温灸しなさいと指導される事を。また愛する我が子のために泣きながら里芋湿布を乗せ続けた彼女の姿を。その指導者は、どんなに辛さを訴えても、突き返して同じ指導を続けたそうです。「私ね、泣きながら頑張ったのよ!」と言っていました。