activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

31【危険な健康法……個別治療】

乳がん腫瘍の塊は大きくなるにつれて、私の胸や脇から血管も神経も、不自然に引っ張っていきました。
中身がギッシリと詰まった塊は凄く重くて、まるで鉛のようでした。身体中の重さの比率で言うと1番だったと思います。

 

 

入院中の治療法に食事・体操・湿布など様々有りましたが、その中の1つに『入浴法』が有りました。血行が良くなる入浴法を行い病気を改善させるという事でした。
私と雪の女神は腫瘍から乳がんの浸出液が出ているという理由で、他の患者さんが順番に入った最後に足し湯をして入ると決まっていました。

その入浴法とは首まで浸からなければ意味が有りません。その寡黙な医師から入浴法が大切だと言われていたので、雪の女神は 真面目に入ってたそうです。
私は出血の可能性があったので、刺激を与えないように乳がんの腫瘍が浸からないように気を付けながらギリギリの状態を保ちつつ半身浴で入浴していました。

 

 

後に雪の女神は退院後、別の医師から「病院という環境で、患者が順番に入った後のお湯に浸かるなんて感染症になりますよ!とんでもないことです‼︎」と叱られたそうです。
当時の私達は『感染症』など考えたことも有りませんでした。と言いますか、そもそも私には知識が無かったので危険性に気付きませんでした。言葉は聞いたことは有りましたが、全く意味を理解していませんでした。
その入浴法は、『健康の為の入浴法』で健康な人が健康な状態を保つ方法で。乳がん浸出液が出ている特殊な条件下では合わなかった方法だったと後で分かりました。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ