activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

28 【不毛の会話。……患者と医師。】

その医院は、食事療法や断食療法や血流を良くする入浴方法などで病気を改善していく場所でした。
ガンの専門病院ではなく、出来るだけ薬は使わず自分の力だけで改善を目指して行く治療法で、目安は、月に1度の血液検査のデータだけが頼りです。血液検査と腫瘍マーカーの数値だけで治療方針を決めて行きます。乳がんの事を寡黙な医師に尋ねても「分かりません。」と返事が返ってきます。

 

 

ただでさえがんの治療を行っても不確実なのに、免疫を高めるだけならば尚更治療効果について回答出来ないのも無理が有りません。一人一人体が違うからこそ自分で選べる代わりに自己責任のリスクも引き受けるのが自然療法の病院なのです。
確かに乳がんも人それぞれで「こうなります。治ります。」と言いづらいとは思いますが、リスクについての説明は、もっとして欲しかったと思っています。

 

 

雪の女神は辛い乳がんを患った体で家に子供3人を置いて治す為に必死で入院してきた母親です。
必死で、このように尋ねていました。
雪の女神「先生。この数値はどうすれば、どの位で治りますか?どうやったら治るんですか??」
寡黙な医師「分かりません。」
ミーナ「雪の女神。1人1人、体もガンも違うから『こうすると治ります。』なんて断言出来ないんでしょう。治らなくても責任取れないし……自己判断しか有りませんよ。」
と納得出来ない女神に言いました。そして、納得行く迄、お互いに励まし合って頑張ることに決めました。

 

 

そこは入院しているのにも関わらず、自分の病気の事を聞いても医師は何も知らないし分からないと回答される場所。
初心者の患者は、その医院の療法を書籍で勉強したり仲間の情報や自分で勉強したりして、治療法を行う所でした。良くなっているのか悪くなっているのかも全然分からないままでした。

 

 

患者が何を聞いても答えが返って来ない『不毛の会話』が行われ続ける医院でした。それが嫌なら患者自身が去るだけの話です。ますます行き場がなくなるのを感じ取れる環境でした。でも、そうは言っても西洋医学不信者の私達の気持ち的には『すがるしか無い場所』でもあり『体の奇跡を引き出してくれる聖域』でもありました。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ