activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

16【地獄の幕開け……乳がん火傷と滲出液】

説明会で販売していたびわ温灸のセットを購入し帰宅しました。
説明書を読んでも、全くイメージ出来ませんでした。
実際にやっているところを見たことが無く体験も無く、火を使う行為なので失敗したくないと思いました。インターネットで検索してみると家から通える場所に乳がん患者にもびわ温灸をしているサロンを見つけました。
「先ずはプロにやってもらおう。そして要領がわかってから自分でデビューしよう!」
数日たち、予約の日がやってきました。

 

 

そのサロンの女性施術者の話によると、びわ温灸をすることでガンの進行が止まってる方が何人もいると聞き私の期待は高まりました︎。
ところがその女性は私の赤く腫れたピンポン球のような乳がんを見て
「こんな乳がんは初めて見たわ……でも やってみましょう︎!」
とチャレンジしてみると言われました。
「良かったぁ~受け入れてもらえた!何て優しい方なんだろう!」
私は人体実験されようとしているのに「有難う御座います︎!!」
と喜んでお礼を言っていました。
それが地獄の幕開けだとは知る由も有りませんでした。

 

 

初体験のびわ温灸施術の時は、乳がんの周りの皮膚にお灸をあててもらうだけに止まりました。
その時期は12月の寒さと火を使う暖かさとで、気持ちよかったのを覚えています。
乳がんの患部(皮膚)は感覚がなく痛痒く、熱を心地良く感じました。
熱を感じると治ると思っていたので気分的にもワクワクしていたからかもしれません。
危険なので『熱いと思ったら、すぐに伝えて→お灸を外してもらう』そう打ち合わせの元に開始しました。
怖がりの私なので、当ててもすぐに「熱いです!」と言って外してもらいました。(念のために。やり過ぎないように。)
それが、びわ温灸の初日です。私はその気持ちよさと手応えに大満足していました。
帰宅後は『里芋湿布』です。『里芋パスター』とも呼ばれています。粉と水を混ぜ合わせ、患部に塗ってガーゼを被せて出来上がり♪お手当の本に書いてある「毛穴からガンを吸い出す」という記述に感動し、その効果をイメージしながら1日に数回取り替えました。里芋湿布は冷んやりとして熱を取ってくれるので、熱による痛みが和らいだように感じ凄く気に入りました。

 

 

 

責任の所在地

入院までに出来る事は終わらせてしまう予定でした。
その中に『自分でびわ温灸が出来るようになる。』も計画に入れていました。
2回目のびわ温灸の日には、女性施術者は私の為にと考えて下さり
「乳がんをやっつけるには直接お灸を当てた方がいいと思うの。結局ガンが死ぬ温度でなければ意味がないから。」と乳がんの上にびわ温灸をするよう勧められました。
私は知識がないのでお金を支払い専門家に施術を受けに来ています。
判断能力がある筈もなく「では それで お願いします。」と素直に返事しました。
その時は、お互い恐る恐る『熱くなったら すぐに言う』という約束の元に試してみました。
実際、乳がんに直接当ててみると、腫瘍皮膚にまでガンが浸潤していて痺れていたためか、熱さが鈍く伝わってきた感じがしました。
長く当てすぎ火傷しても困るので、その日は程々でやめましたが、物足りない感じがしていました。その夜「こんな程度で、乳がんが死ぬとは思えない。生ぬるかったみたい……次回はもう少し我慢してみよう!」と次回の目標を決めました。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ

 

 

 

火傷させた乳がん

そして3度目の【びわ温灸】の日がやってきました。
私が到着して準備していると女性施術者から「私、真剣に考えてみたんだけど、もっとしっかりお灸を当ててガンをやっつけた方がいいと思うの。今日は、しっかり当てましょう!」という提案がありました。
「私も、同じ意見です!そう考えていました!!」
すっかり意気投合し、しっかりとお灸を当ててみる事に決まりました。
出来る限り我慢して、乳がんの周りと乳がんの上の同じ部分に何度も何度も繰り返し
お灸を当ててみる施術をされました。
帰宅後、患部を確認すると皮膚の色が紫色に変化していたので「効果は、あったのかな?」
と期待しました。
ところが、頑張って私の乳がんを覆っていた皮膚が火傷に耐え切れず、破れて乳がんから汁が出てき始めてしまいました。
「この皮膚は大切だから、破かないように。」
とスマイル先生に言われていた部分を火傷で破ってしまったのです。

 

 

 

ところが、焦った私は持っている本を読んで調べてみると
『ガンの悪い汁が出ると、治る。』の記述を見つけ、治る方に進んでいると分かり(ただの浸出液です)
「これだから西洋医学は信じられない。乳がんの先生が言った事と、この本に書いてあることは逆やん。汁が出ないと治らないやん。治させない為に言ったのかな?」
と残念に思い、益々不信感をましました。そして、どんどんと汁が出てくるのを喜びました。
(今となっては、怖い話です)

 

 

その後ガンを治す講演会や友達情報でも「乳がんの汁は、出せばなおる。」
「乳がんを、びわ温灸で焼き死ぬまでやり続ける事」
と何度か耳にしました。
例えるなら
「タバコで大きなホクロを、麻酔無しで焼け!火傷しても、自分で同じ場所に何度も何度も押しつけろ!!」のような感じですかね( ; ; )

 

 

私は、そう出来るか不安だったのですが
✳︎4回目のびわ温灸の日の前に、自由診療の入院の日が決まった事
✳︎その病院では火を使うのは禁止されていた事
(煙が出る為。煙が出ない器具も有ります。)
✳︎その病院の療法では、びわ温灸を勧めていなかった事
その3点が重なったお陰で
その3回で【私の乳がんびわ温灸の体験】はたまたま終了しました。
その施術体験は、病院関係者に言われた言葉によると訴えれる行為だと聞きました。
結局 私は、がんを治した経験も無い人により、医療行為の実験台にされていました。
「自分で行き」「自分で選び」「自己責任」のように見えますが医療行為を無資格の人により取り返しがつかない行為をされていたのです。
ですがその日は遅かれ早かれやってきた筈の(乳がんが大きくなると、皮膚は破れる)『乳がんの浸出液地獄』にも苦しめられる火蓋を切ってしまった日になっていたのです。