乳がん手術の条件 vol.66
ガン情報の思い込み・認識の溶解
医師により言う事がバラバラで、意識朦朧の私は全く意味が分からなくなりました。私「では聞きますが、先生は私がどうなったら手術をしてくださるのですか!?」スマイル先生はなかなか飲み込めない私に紙とペンを使って、ゆっくりと絵を描きながら説明を始めて下さいました。
私が理解出来るようにと、私の質問に1つ1つ丁寧に答えて下さいました。途中、私にかかる時間が長いので看護師さんが心配されていましたが、スマイル先生は最終的にに私が納得するまで説明を続けて下さいました。この行為が私の気力を呼び起こす貴重な時間になり、奇跡が起きる原動力になったのだと思います。
先ず、自分が置かれている状況を理解し、行っている治療と今後の治療計画を知る事はとても重要だと思います。ですが学びたい情報を知ろうとする患者にとって、治療に向かわせない情報が多く待ち構えているのが現実です。何が本当の情報なのか、体験なしに見極めれるのは大変難しいと思います。その理由は、もっともらしい『ああ言えば こう言う話法』が多く存在するからです。
乳がん手術の条件
私に画像を見せながら、乳腺外科医の立場から、私の乳がんが手術が出来ないと判断される理由をこのように説明されました。
私のように3cm以上の乳がんの場合、腫瘍の周りの血管にもガンがいる可能性が高い。私は乳がんで11cmになり更に半年放置していたので『周りの細胞にも、いるかもしれない。』などという可能性の話はとうに過ぎていて『乳がんに繋がる血管も太く硬くなって、ガンの存在を触感で確認出来るレベル』にまでなっていました。
更にガンの侵食で胸の皮膚は、深い部分まで失ってしまっていました。【治療開始すべき時から、1年も過ぎていた。】
今迄、何処かの病院に通い続けていたのに1度もそう説明をされなかった。専門医と専門外の医師の違いを思い知らされた瞬間でした。手術は、腫瘍ギリギリではなく余裕を持って、リスク回避するために大きめに切除するという説明でした。確かに、せっかく手術してもガンの切り残しがまた成長して『元の木阿弥』では意味が無いのも理解出来ました。また、私はすぐに手術出来ない状態だという事も理解出来ました。
私の頭の中は、後悔と不安でいっぱいになり、耳には私の胸の鼓動だけが聞こえていました。ですが、意識が遠のきそうになりながらも必死にスマイル先生の話に耳を傾けていました。