余命宣告される前／末期がん vol.64

抗がん剤投与から、2回目の白血球の検査の日がやってきました。毎週検査の予定だったので、抗がん剤から2週間後の事です。私にピッタリの抗がん剤【CEF】が私の白血球にどれくらい影響を与えるかを調べる検査です。

 

 

それまでにスマイル先生が私に言って下さった事の1つに「ミーナさんのお友達がミーナさんが今置かれている状況を聞きたいと言うなら、先生が説明してあげるから連れてきて下さい。出来れば1人1人より、数人一緒の方が助かります。」という言葉が有ります。

 

 

つい先日まで、友人達は私の電話で「切ったら治るって。だから安心していていいよ。もうしばらく待っていてね！」と聞かされていたのに、乳腺外科の専門医に変わったとたん『大切なお話が有ります。ご家族に話さないといけないから来ていただいてもいいですか？』と言われたと伝えられたのです。後から聞いたのですが、家族はスマイル先生から【ミーナさんは『覚悟』しないといけない状態、「重篤】であると言われたそうです。

 

 

電話でスマイル先生の言葉を伝えると、とても驚いて泣いてしまう友達もいました。ですから、スマイル先生は私の友人達もビックリして混乱しているだろうから、主治医として説明の時間を取って下さるとおっしゃったのです。私としては「切ったら治る乳がんを切る範囲を小さくする為に抗がん剤しているだけなのに、スマイル先生は優しいけど大げさだぁ……」

と思っていました。

 

 

でも実は、心の奥の部分にある「そんなに特別扱いをして下さるくらい私の状況は深刻でなの？もしかしたら、死んでしまうかもしれない状況だったりして？？」と思う気持ちに気付かないようにしていました。もちろん、かなり酷い状態だったので「少しの辛抱で手術出来るから、頑張ろうね～！」と笑顔で言われると期待してはいませんでした。

 

 

そしてスマイル先生も看護師さん達も共通して、私を見る瞳の奥の奥になんだか淋しそうな感じも気になり続けていました。