がん特効薬/服用する vol.61
初診が終わっても支払いまでの時間も長く、ホテルのチェックインは夜になっていました。体は疲れていましたが「もしかしてもしかすると、魔法の薬をとうとう手に入れてしまったかもしれない!?」期待と喜びと満足感でいっぱいでした。
この水薬の本を教えてくれた友人にも、さっそく電話で報告しました。私「ついに奇跡の薬を手に入れましたよ‼️」友人「ミーナちゃん、凄い‼️良かったねぇ…ホント良かったねぇ…」試してみないと分からないと分かっていながら、医師が【自信】を持って処方されると【奇跡の薬】だとしか思えませんでした。
翌日も起き上がるのも一苦労。チェックアウトを2時間延長して体制を整えて、やっとホテルを後にしました。新幹線で帰る時も髪はボサボサでマスクをして、時折顔をしかめながら、うつむいたまま黙って座っていました。かなり怪しくて目立っているようでしたが、座っている事以外は全く余裕が無い状態で、やっとの思いで博多駅まで辿り着きました。
駅まで迎えに来てくれた友人は、久しぶりに会った私の変わり果てた姿に覚悟を決めたと後に言っていました。車の中には倒れこむように乗り込み、会話する気力も有りませんでしたが咳き込んでしまうので無言でした。その日は余命1ヶ月宣告される10日前になります。倒れ込まず事故にも合わず自宅の布団に戻れた時に一安心しましたが、まだまだ旅路の途中です。私は生きるために必死でした。
ガンを消滅させる(らしい)薬を飲む
翌朝から、とうとう手に入れた薬を飲み始めました。その水薬は見た目も水のように透明な液体でスポイトを使い少量から飲み始めまた。言われた通り、朝起きて歯磨き後、口を清潔にしてから毎日毎朝 1日一回飲み飲み続けました。味は、何とも言えない不思議な味でした。段々量が増えると味も濃くなっていきました。私が薬をもらいに行った後、その内科は予約でいっぱいになり、予約自体を受け付けなくなったので、ギリギリ滑り込めてラッキーだったと噛み締めていました。
私はその水薬を半年の間、脳転移で意識不明となり運ばれるまで1日も休まず、飲み続けていました。藁にもすがる思いとは、このような感じだと思っています。