activities2020ネオミーナ生還日記pinkearth活動報告

がん友の涙 vol.32

「私の乳がんは治る」そう思い込んでいたので基本的には普段と変わらず元気でした。むしろ、明るく生き生きとしていたかもしれません。そんな姿が「なんだぁ~ 心配して損した。」「本人は、全く落ち込んで無いんだ。」と思われ、度々嫌な思いをする羽目になりました。

 

 

勿論、死ぬかもしれない痛みが続く日々なので、心の奥底に恐怖心も有りました。でも周りの人に心配をかけたくなくて悟られたくもなかったので、そのような素振りは見せませんでした。また「マイナスの事を少しでも思うと、それが現実化してしまう。」と思っていましたので。

 

 

そんなある日、大変お世話になっている尊敬している60代のダンディーな男性がお見舞いに来られた時の話です。その男性は、豪華な花束と信じられないセクハラの言葉を残して帰っていきました。私は誰にも言えない会話だからと黙っているのに耐えられなくなってしまいました。

 

 

この気持ちを共有出来るのは、雪の女王しかいない。でも、この言葉を聞いた彼女も傷付くと予想は出来たのですが、迷った挙句に打ち明けてしまいました。するとその言葉を聞いたとたん雪の女神は

「なんて 酷い事を……」

そういうと、両手で顔を覆って泣き出してしまいました。私は慰めようとしましたが、言葉をかけようとすると涙が出てきて、2人でしばらくの間声をあげて泣いていました。

 

 

その病院に『病衣』は無く、私服で見舞い男性の対応をしました。抗ガン剤をしていないので髪も抜けていませんし痩せもせず、想像していたより元気な姿だったので『がん患者』という感覚を失わせたのかもしれません。

 

 

私は、とめどなく流れ出る涙によって、頭の中の霞が綺麗に洗い流され自分の気持ちが浮かび上がり、冷静に心を見つめる事が出来ました。【なぜ、そんなに涙が止まらなかったのか】を。それらは失いかけている愛しい胸。脅かされている命。そして孤独という存在。改めて気づかされたと、そう感じていました。