乳がんの男性の講演会。ガンは自分で治せる? vol.1
がんは、血の汚れが作る
私が乳がんになる約2年前(2008年くらい)に、男性の乳がん患者の講演会に誘われました。
彼はラジオ等に出演され、ガン関連の書籍を出版されていました。案内された時の私は男性も乳がんになると知り驚き、また自然治癒力で治していると聞いてかなり興味が湧きました。知らないと大きな損をしてしまうような、大切な情報を聞けそうだと興味津々で参加していました。
彼の話の内容は
『ガンは、血液の汚れが原因だから血液を綺麗にしたら治り始めた。』
と納得してしまう内容でした。
「僕の大切な友人達は、僕が引き止めたのに病院の治療を受けたせいで殺されてしまった︎。」
と衝撃の一言から始まりました。
その時のプロジェクターには、自分の写真だという傷口の瘡蓋が剥がれ、その奥が膿んでいる彼の乳がんの映像が映し出され
「ほら。治ってきています。」
と彼は自信満々に説明されていました。
ガンを見た事が無い私には判断する術は有りませんでしたが、本人が断言されるので、話に引き込まれた私はすっかり信じてしまいました。また抗がん剤や放射線をすると免疫が下がってしまうので、治るガンも治らなくなると言っていました。ガンの治療で病院に行く人は『ガンの呪縛』にかかっている、メディアや病院の情報に脅されているのだとも言ってました。
がんは、自然治癒する
彼の治療法として
★︎血液を綺麗にするために、玄米を中心とした食事療法をしている。
★︎体を温めて免疫を上げ、その免疫で自然退縮させる。
など、納得出来る方法をいくつか紹介されていました。
途中、人体に存在する奇跡を起こす物質とやらを使う治療法を紹介されました。
その治療法を用いた医師は迫害されたけれど、秘密裏に治療を行っている病院(自由診療)が存在しているなどなど。
患者さんが映像を使い説明された事で、帰る頃には全ての話を完全に信じてしまい
「今日は 本当に来てよかった!!私もガンになったら、抗がん剤で殺されないようにしよう!!」
衝撃の連続で頭が一杯でしたが、それだけは心に強く決めたのを覚えています。
講演会が終了後、ロビーで数人で立ち話をしていて
「やっぱり 抗がん剤をしてしまうと終わりなんだな。だから、病院に行っても助からないんだ。」
その感想にも共感し、私だけでは無いことで確信は更に深まりました。
巻き込むリスク
私が乳がんになっても、その乳がん男性の歩んだ道程を調べていません。
それは人それぞれ体質が違うので参考にならないと思ったからです。
また、私に効果が無かったとしても他の人に結果が出ていないと知ることによって、私の気力が落ちるのを避けたかったからです。ですから、インターネットでガンの闘病記もほとんど読む気になりませんでした。
元気になるまでは、これ以上心を乱されたくなくて読む気持ちにもなれなかったのかもしれません。事実と結果だけを信じていこうと決めて、自分の体がどのように変化していくかにだけ集中していました。
紆余曲折ありましたが、末期乳がんから生還することが出来て気持ちの余裕ができた時に、その男性のブログを見つけました。そして彼の最後は、末期ガンで亡くなっていたという事実と結果を知りました。
その事に詳しい方々に、どう思っているか尋ねてみると
「彼は真面目にやって無かったからねぇ。」
と、努力が足りなかったのが原因だという言葉が返ってきました。
その乳がんだった男性は、治っていくプロセスを見せるつもりだったと思いますが、上手く証明(完治)出来なかった時のリスクについては考えなったのか聞いてみたい。
『巻き添えを生む危険性』は無いと思っていたのでしょうか?同じ『抗がん剤などの拒否』という選択を選ばせてしまうリスクについては?取り返しがつかない危険をはらむ情報を断言し続けてよかったのでしょうか?と私は思ってしまいます。
亡くなる数日前の最後のBlogには『肺の水・腫れ・痛み・骨転移による骨折で寝たきり』など末期ガンの辛い状況を記述しているのに「もうすぐ 治る」と締めくくってありました。
私も『がんは治る 痛みは治っている証』という言葉を信じきっていました。末期がんの状態でも治癒の寸前だと思い込んでいたので、男性の痛みも気持ちも理解できる気がしています。
北里ミーナ