96 【✳︎ガンマナイフ体験✳︎……脳転移7】
ガンマナイフ手術の2日前には、双子のように息がピッタリ合った専門の看護師さん達から手術の段取りの説明を受けました。ガンマナイフ専門のドクターには、手術の説明をしていただきました。プロフェッショナルのコンビネーションには、安心感を覚えました。
そして、ガンマナイフの日がやってきました。説明では(とは言っても、私は聞いているようでいても聞けていませんでした。なにせ、脳いっぱい炎症していたので。ボンヤリと耳と意識で聞いていた感じでした。)
全く大丈夫な印象を受けたので不安無く、いつも通りの気持ちとむしろ期待が入り混じったような心境でした。「麻酔が 結構 痛いですよ。」と聞いていたので、その点だけは心の準備をしました(^_^;)
そして、当日。
点滴で体の準備を整えていただきながら
「で、いったい どんな物なの?『ガンマナイフ』とは?」
「しっかり、意識して体験するぞ❗」
「それにしても、本当に現代に生まれれて、2012年に手術受けれて良かったな~」
と思っていました。
麻酔は聞いていた通り痛かったけれど、神経が研ぎ澄まされていたせいか血管が枝分かれしている様をありありと初めて感じました。双子のような、私の目にはまるでCGに見える看護師さん二人とパワーを必要とするときにサポートしてくれる一人の男性看護師さん。
意識朦朧で全身脱力の私を、空気の流れのようにスムーズに、まるで映画に出てくるのマシーンのようなガンマナイフマシンの中に運んでいってくれました。そして、私は意識を失いました。
それから数時間後に目覚めた時。病室のベッドに運ばれているのを、うっすら覚えています。説明を受けていた通り固定の為の金具のおでこの痛みの鈍痛は、少々あったように覚えています。(痛い説明をされても、末期ガンの激痛と比較する癖がついていて軽く感じてしまいます。)
前向きに考えると脳を焼きたくない、でも脳腫瘍は1ミリでも焼き残したくないので仕方ないのです。すぐに、用意していた痛み止めのお薬を飲んで、再度ぐっすりここちよく眠り目覚めた時には、全てが終了している現実を改めて噛み締めました。
外見上、殆ど変わりない姿の私だったので、狐に摘ままれたような不思議な気分でした。思った通り、同室のおばあちゃん達には脳治療してきたと伝えないと気付かれないくらい、外見的にも全く変化なしでした。
声なき声の代弁者
北里ミーナ