activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

94【ICUで……脳転移5】

深夜に出かける私の様子を見て不審に思った娘ですが……
娘が信頼している『占い』のような本によるアドバイス?助言?《ママは 大丈夫。心配しなくていい》という言葉に安心し「何かあった時に、直ぐに行動できるようにしとこう!」と娘はグッスリ眠ったと言っていました。

 

 

「リリリーン!」
早朝の電話の音で飛び起きたそうです。
早朝だったので、少し覚悟を決めて電話に出たそうです。
「︎︎◯◯病院ですが……」
電話の向こうの第一声に、娘は一瞬『ドキッ』としたそうですが電話の向こうの方が、間髪入れず続けざまに
「お母さんは、怪我もしていないし薬で眠っています。だから安心して聞いて下さい。」
と優しい声で言って下さったらしく、その言葉を聞いて直ぐに安心したそうです。

 

 

それから電話を切った娘は、眠っている祖母を起こす時に、できる限りビックリさせないようにと(19歳だった一人息子を深夜の交通事故で亡くしているので。可愛い4つ歳下の弟でした。)
「ばあちゃん、心配せんで安心して聞いて。ママが事故起こして発見されたけど、無傷やし、病院で薬で寝とるって。」
と言って起こし病院へと向かったそうです。

 

 

後日、聞いた話ですが、病院に到着した娘は、眠っている私が目を開けるまでは安心出来なかったらしく私の腕を『ツンツン』と突ついて起こしてみたと言っていました。

 

 

ツンツンツン……
左腕をツンツンされて目を覚ました私。
その起こされ目にした光景は、警察官と話していた光景の次に目にした物です。

 

 

そこ(病院らしき)で私は横になっていて、突ついている方向に目をやると
『ニヤッ』
としている娘と家族が私を取り巻いている光景でした。それが病院だったので一瞬 『ハッッ!!』とはしましたが、娘の、うすら笑っているような表情を見て『大したことは無いんだ。きっと 大丈夫なんだ……また助かったんだぁ……』と瞬時に悟りました。

 

 

そして耳元で、囁くように
『3センチの脳転移が見つかったけど、ここの病院には切らない脳外科手術のマシンがあるから大丈夫。』
とだけ伝えられました。

 

 

この言葉を伝えられる時は一瞬ひやっとしましたが、そんな手術法がこの世に存在していたなんて全く知らなかったので不思議な感覚で安心し、またすぐに眠ってしまいました。

 

 

その『開頭しない手術マシン』は【ガンマナイフ】という名前でした。『パーフェクション』という新しい種類のマシンをその病院は購入したばかりでした。
※初代は1995年から九州導入。その病院は『パーフェクション』という新バージョンを九州で1台目を購入していたのでした。

 

 

その切らずに治す手術を聞かされた不思議な感覚は
『未来の手術』
『のび太の引出に入って未来で手術して、また返ってくる』
そのように感じたのを覚えています。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ