71【 臨死体験後・看護師さんに感謝を伝える】
~2011年12月~
翌朝、全く別人の体を手に入れた私は、毎日 オシャレをしてお出かける事が出来るようになりました。お化粧したり洋服に着替えたりする事はもちろんの事、一挙手一投足がスローモーションのように感じられる夢のようでした。
そうして一瞬一瞬 感謝の連続の瞬間を感じながら次の検査までの4日間を過ごしました。次の抗がん剤の日には『サプライズ』のような気持ちで、スマイル先生や看護師さん達を驚かせようとロングヘアーのウイッグ、バッチリのメイク洋服も普通の女性らしい秋服を着て行きました。それほど、自分に何も手をかけれない程にガンを放置し続けてたせいで体にも心にも負担をかけていました。
そして迎えた次の抗がん剤の日。私は、スマイル先生や看護師さん達がどんなリアクションをされるのか楽しみにしながら乳腺外科に行きました。
病院に到着し、院内をゆっくりと歩きながら看護師さん達を見つける度に
「こんにちは♪」
と笑顔で、背筋はピンとして元気な声で挨拶をしながらしっかり歩いていました。もちろん 看護師さん達からは、ビックリされ二度見をされ
「ミーナさん??」
「全然 違う(驚)!まるで別人ですね!」
と声をかけられました。
そして抗がん剤の点滴を受けながら、ご心配をおかけした看護師さんに
「私 やっと分かりました。あの時に引き止めて下さっていた時どんなお気持ちだったかを……ご心配かけました。有難うございました……でも もう大丈夫です。先週、病院で『余命一ヶ月宣告』された後あの世に行って色々 やってきました……生きるように……」私は咳き込むのを我慢し涙ぐみながら伝えました。
看護師さんも一緒に涙ぐみながら私の点滴してない方の手をしっかり握りしめながら聞いて下さいました。数時間の抗がん剤投与を終え帰り際にスマイル先生にお会いました。
スマイル先生「ガンは、縮んできていますか?」
私「スマイル先生!めちゃくちゃ抗がん剤が効いてきました!!!」
スマイル先生「じゃあ、次回は見せてもらいましょうね(笑顔)。」
私「はい!お願いします♪」
と私は自信満々の顔で返事をしながら、驚くスマイル先生の顔を想像していました。
声なき声の代弁者
北里ミーナ