70【『アカシックレコード』へ……pinkearth。】
『臨死体験??』とアカシックレコード
余命一ヶ月宣告をされた次の日の夜、自分が置かれた状況の厳しさに愕然としました。何故なら、もう私には『立ち向かう事柄』など、無くなっていたからです。
『抗がん剤治療』という最期の手段を終え、効くか効かないかを待つだけの状態。あえて『これさえ手にする事が出来るなら……』というのでならば、欲しい物は『失われた時間』。そんな事を考えているうちに『それが有るかもしれない場所』の存在を思い出しました。それが『アカシックレコード』と呼ばれる場所です。とは思いついたものの、地図に乗ってはいないし行ったことが無い私は、『そこに行く手段』について考え、「じゃ、ピンクのゾウも連れて、あの黒い龍に乗って行くか……」などと、朦朧とする消え入りそうな意識の中で眠りにつきました。
翌朝は抗がん剤投与からちょうど効果が出始める時期と重なってもいました。【臨死体験?】【神秘体験?】【脱魂??】から目覚めると、眠りにつく前の私とは明らかに違う状態に【変身】していました。抗がん剤が凄い勢いで効き始めていて、ガンを封じ込めいたのです。
ガン疼痛の痛みは、ガンが縮んで引きつるような別種の嬉しい心地よい痛みに変わっていました。宇宙に1人取り残されたような冷え切った体は、ポカポカと熱いくらいに暖かくなっていました。正常な細胞が猛烈な勢いで再生を始めているようでした。
一夜にして全く別の世界が私の前に出現していました。実は私の屋号【pinkearth】は、その時の体験を表現したくて名ずけています。朝、意識を取り戻し、眼を醒ました時には「これって 夢??いや 全然違う!!!」夢で無かった事を全身の細胞で確信しました。webサイトはこちらです……🌍pinkearth
抗がん剤の劇的効果??
翌朝に全く別人の体を手に入れた私は、オシャレをしてお出かける日々を少しずつ取り戻す事が出来るようになっていきました。お化粧したり洋服に着替えたりする事はもちろんの事、一挙手一投足がスローモーションのように感じられ夢のようで嬉しくてたまりませんでした。
そうして一瞬一瞬 感謝の連続の瞬間を感じながら次の検査までの4日間を過ごしました。それほど、自分に何も手をかけれない程にガンを放置し続けてたせいで体にも心にも負担をかけていました。
その後もさらに抗がん剤を続ける事により、私の体中の細胞が一斉に復活していき続け、効果が増すたびに咳や冷え、 痺れ、意識朦朧な感じなどが徐々に薄れて軽くなって行きました。私は、抗がん剤の効果によって死の淵から救い出され、日常生活を取り戻すことが出来たのです。
声なき声の代弁者
北里ミーナ