65【ガンの皮膚とそうでない皮膚】
待っていた検査の日がやって来ました。先ずは血液検査。
抗がん剤投与の後、白血球数が下がる人ならば1番下がる週の血液検査ですが、私は『7000』程ありました。前の週が6000程有ったので、むしろ上がっていました。
弱り切った体でスタートした状況。強い抗がん剤を打っても私の体・私の血液はビクともしなかったようで、心の中で体を褒めてあげました♪そして私は、スマイル先生にあの質問を投げかけてみました。
私「先生。私は浸出液の処置などで日常も大変です。ですから、先に手術して、その後、再発防止に抗がん剤を打つ事は出来ないのですか?」
スマイル先生「手術は出来ません。」
私「でも、前の病院の医師に『切ったら治る』って言われていたんですけど……先日も電話カウンセリングの医師から 『先に手術した方がいい。』って言われました。」
スマイル先生「……でも、あなたは手術出来ないんです。」
私「でも、先日、前の病院の外科医から『君は乳がんを手術するとして、切る範囲が広いからお腹の肉を切って胸に貼り付けようかな?』って言われたんですけど……」
スマイル先生「ガンがあるままの状態で、その上に別の皮膚を持ってきても付かないんだよ。」
私「…………」
当時の私は、あまりピンと来なくて全く意味が分かりませんでしたが、今では良く理解できます。ガンから出る透明の液とガンでは無い部分から出る浸出液。
匂いだけでも全く違うように、ある意味『治そうとする細胞の中に、邪魔をする細胞がいる』ような感じ。ガンの匂いを嗅ぎ分ける犬がいるそううですがよく分かります。
いつもの状態では無いから、細胞同士が結び付かないのです。喧嘩や誤解や不信感が有るのに、心から受け入れてスキンシップを取って一緒になる事は出来ません。
先にスッキリクリアーにしてから、本当に結びつき一緒になるのだと思います。こっちは良くてもあっちは嫌がっていたら『ありがた惑』みたいな感じで、結果上手くいかないのと同じような状態だと思います。
声なき声の代弁者
北里ミーナ