activitiesNeo・ミーナ回想記 2018

21【傷付ける仲間……油断大敵】

~2010年12月~

楽しみにしていた入院生活がスタートしました。
【楽しみ】の理由は

『消滅していく乳がんを観察出来ると思っているから。
また

今までの疲れを癒し充分なエネルギーを蓄えようと思っていたから』です。

 

 

先輩である入院患者さん達は、そこの治療法が大好きなリピーターまたは難病の方やガン患者の方々でした。
西洋医学で治療法がないような難しい病気が、その療法で治ったという女性は映画化され伝説のような存在になっていました。
同じガン患者の方に出会う事で心強くなり 「ということは、治るってことなのね。よし 頑張るぞ!!」と硬く心に誓い、ファイトが湧いてきました。

 

 

入院初日、年配の女性が話しかけてこられました。
年配の女性「あなたは、何の病気?」
私「乳がんです。」
年配の女性「乳がんは、父親か男性に愛されてない人がかかるのよ。」
まさか入院中の女性からいきなりそんな事を言われると思わず、驚き深く傷つきました。
初対面の乳がん患者に対して何て失礼な事をいうのだろう。見えない世界から聞いた話を信じるのは自由ですが(後に知りましたが、ある医師が言っています。)とても残念に思います。

 

 

 

「私が、どんなに父に愛されて生きてきたのかも知らないのに。長女である姉を死産で亡くしているため私は大切に育てられました。しかも、何か教えてと頼んだわけでもなければ聞いたわけでもない。ただの親切(と思っているだけ。迷惑)の押し売りやん!」と怒りと通り越し残念さも通り越して、悲しい気持ちになりました。
まさかガンになってから、同じガン患者から、そんか経験させられるなんて。
ちなみに、その女性は子宮がんでした。

 

 

その夜、その女性は私の部屋に入って来て
「とても いい本だから。」
と2冊の本をそそくさと置き去って行きました。

 

声なき声の代弁者

北里ミーナ